2025年の大学の定員(募集人員)を集計すると、一般入試の定員より、総合型入試と指定校推薦を合わせた定員の方が多くなっていると言われている。
全ての募集人員が18歳人口を超えているとも言われているので、募集人員に意味があるがあるかどうかはわかない。
2023年3月の18歳人口は110万人。
大学へ進学したのは63万人、大学進学率は57.7%だった。(文部科学省「令和6年度学校基本調査」から)
浪人生が10万人ほどいるとすると、現役で大学に行っているのは半分以下である。
コロナ禍と地方経済の衰退から、都心のトップ大学を目指すより、地元に残って現役で大学を選択する地元志向が強くなってきていることもあり、総合型選抜や学校推薦選抜で早めに進学先を決める傾向が強くなってきてる。肌感覚ではあるし、調べても統計は出てこないけれど、確実に都心の大学を目指してる生徒は減ってきた。
もちろん結構、前から言われている通り、難関大学だからといって、浪人生が多いわけではないらしい。東京大学は27%、早稲田は24%、慶応は31%が浪人らしいが、医学部は浪人多いだろうから、学部によって濃淡はあるみたいだが、浪人してまで大学に行く人は減っている。
総合型入試と推薦入試と一般入試
本当に推薦入試が多いのだろうか?
津田塾大学の英語英文学科2024年度の募集人員(と合格者)を見てみよう。
入試形式 募集人員 (合格者)
一般A 85(210)
一般B 20(49)
一般C3科目 15(520)
一般C4科目 15(150)
一般C5科目 5(24)
募集人員計 140
総合型 10 (7)
指定校 60 (51)
公募 10 (6)
特別入試 若干名 (1)
募集人員計 80
女の東大津田塾大学の英文ですら、一般とそれ以外の募集人員比は7:4である。
(ちなみに旺文社のパスナビによると偏差値45となってる)
他の女子大や知名度がやや劣る大学はもっと推薦と総合型入試が多くなるのは当たり前だろう。
偏差値
さて、偏差値はどういう風に計算するか知っているだろうか?
「(自分の得点-平均点)÷標準偏差×10+50」
で求められるわけだが、今の高校数学課程で習ってない人はピンとこないだろう。
平均点が出てくるということは平均点によるなということはわかる。
平均点が高ければ高いほど、偏差値を高くするのは難しくなる。
みんなが行く高校の入試と違い、大学入試は大学へ入学しようとしている生徒で偏差値を出している。しかも、一般で大学入学をさせようとしてる進学校が模試を受けさせてることが多いだろう。
大学受験をする生徒は、高校受験をした生徒の上位50%と中学受験をした生徒だ。
その平均点は小学校や公立中学校の比ではない。
複雑化した大学入学
偏差値をただでさえ上げにくいのに、一般入試は英語外部試験の導入を一部したおかげで訳が分からないくらい複雑になった。大学の入試サイトを見てみないと配点も出願資格すらわからない。
私立は大学ごとで入試問題が違う以前に募集人員も、英語外部試験の利用も計算方法も違う。
国立は、大学入学共通テストの独自進化が止まらない上に、情報の科目数が増え余計受けにくくなっている。
津田塾の例で行けば、入学に必要なのは、大学入学者の中での平均的学力よりも、両親の津田塾に行けるだけの経済的余裕が重要になりつつある。
偏差値45であれば行けるし、指定校でも行けるからだ。
複雑化した私立一般入試と国立入試。
偏差値は何の役に立つのか。